現象
2024年1月下旬頃からエクセルファイルを開こうとすると以下のメッセージが表示されて、エラーとなるケースが頻発するようになりました。
◯◯◯.xlsxを開くことができませんでした。
「OK」ボタンを押すと追加で次のようなエラーがでます。
◯◯◯.xlsxにアクセスできません。次のいずれかの理由が考えられます。
・ファイル名またはパスが存在しません。
・ファイルが他のプログラムによって使用されています。
・保存しようとしているブックと同じ名前のブックが現在開かれています。
確認しましたが、上記の3つの条件はすべて該当しませんでした。
更にファイルをコピーしてローカルフォルダに移動しようとすると次のエラーが出ました。
1件の中断されたアクション
予期しないエラーのため、ファイルをコピーできません。このエラーが再発する場合は、エラーコードを使用して、この問題についてのヘルプを検索してください。
エラー 0x8007003B: 予期しないネットワークエラーが発生しました。
動作確認と分析
どのような時にこのエラーが発生するのか調査した結果を以下にまとめます。
- 全てのエクセル、ワードファイルではなく一部のファイルのみ発生する
- エクセルファイル、CSVファイル、ワードファイルで同現象の発生を確認
- コピーしようとしても予期しないエラーでコピーもできない
- パソコン再起動では改善されない
- オフィスソフトの修復でも改善されない
- PDFファイルでは同現象は確認できなかった
- ダウンロードしたファイルでのみ発生する
- Windows10のPCでは正常に開く
ダウンロードしたファイルだけがこの現象を発生させていることがわかりました。これまでダウンロードしたファイルでこのような症状がなかったことからWindowsアップデートによるバグではないかと推測します。
原因と一時的な対処法
インターネットから取得したファイルは、通常ZoneIDと呼ばれる目印をファイルにつける設定になっています。
ZoneID(ゾーンアイディー)とは?
ZoneID(ゾーンアイディー)は、Windowsで使われる言葉で、ファイルやプログラムがどの「セキュリティ ゾーン」に属しているかを示すものです。これは、インターネットからのダウンロードや外部からの情報を扱う際に、コンピュータがそのデータをどれくらい信頼していいかを判断するための仕組みです。インターネットゾーン(Internet Zone)、ローカルイントラネットゾーン(Local Intranet Zone)、信頼済みサイトゾーン(Trusted Sites Zone)の3つがありますが、インターネットからダウンロードしたファイルは一番信頼性の低いインターネットゾーンの印がつけられます。
この印がついているファイルがこの現象を起こす原因となっているようなので、一時的な対処はこのZoneIDを設定で削除することで解消されます。
ZoneIDの削除方法
対象のファイルを右クリックして「プロパティ」をクリックします。
「許可する」にチェックを入れます。
このファイルは他のコンピューターから取得したものです。このコンピューターを保護するため、このファイルへのアクセスはブロックされる可能性があります。
そのまま「OK」を押すことで上記のエラーは出てこなくなります。
長期的な対処
一時的な対処方ではダウンロードしたファイルを一つ一つ、プロパティで設定変更する必要があり、かなり面倒です。すでにダウンロードしてあって、ZoneIDが振られてしまったファイルは上記の対処法でするしかないのですが、今後ダウンロードしたファイルについてはWindowsの設定を変更することでこの現象を起こさないようにできます。
タスクバーの検索窓にて「gpedit」と入力すると「グループポリシーの編集」が表示されるので、そちらをクリックします。
左パネルの「ユーザー構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「添付ファイルマネージャー」と移動し、「ゾーン情報を添付ファイルに保存しない」をダブルクリックします。
「有効」にチェックを入れて保存します。
以上の設定で今後ZoneIDが保存されなくなり、上記のエラーが発生しないようにできます。ただし、NASなどで他の人とファイルを共有していいて、他の人の端末で同様の設定をしていない場合、ZoneIDがついてしまう可能性があり、全社的に設定を見直ししないと対応できない可能性がありますので、ご了承ください。その前にWindowsアップデートでこのエラーが解消されることを願っています。